薬物の代謝に関与しているのはどれか?

drug metabolism、異物代謝、xenobiotic metabolism

薬物、毒物などの生体外物質(Xenobiotics、異物)の代謝反応の総称であり、対象物質の親水性を高め分解・排出しやすくすることが多い。これらを行う酵素を薬物代謝酵素といい、主に肝細胞内にあるミクロソームで行われる。医薬品の効き目や副作用の個人差、複数の薬の間での相互作用などに大きく関わる過程である。不要となった生体内活性物質(ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、胆汁酸、ビリルビンなど)の分解も含まれる。生体に対する作用を軽減することが多いが、代謝によって薬理活性を発揮する場合(プロドラッグ)や、生体にとって毒性の高い化合物に変換される場合もある。多くの発がん物質は、それ自体ではなく代謝された生成物が発がん性を示している。薬物代謝は、第1相および第2相の反応に分類される。 第1相反応では、対象物質の分子量は大きく変化しないか、あるいは分解により低減化する。エステルなどの加水分解、シトクロムP450(CYP)による酸化反応、還元反応などがある。CYPによる酸化反応は特に重要で、CYP酵素は生物種ごとに数十種あり、それぞれ基質特異性が異なる。CYPのことを限定して薬物代謝酵素と呼ぶ場合もある。CYP酵素は薬物などの投与により発現誘導されたり、薬物に阻害されたりすることがあり、薬物相互作用の原因となる事が多い。

第2相反応は抱合反応で、硫酸、酢酸、グルタチオン、グルクロン酸など内因性物質を付加し分子量は大きくなる。産生物はより極性が大きくなり、腎(尿)や肝(胆汁)により速やかに排泄される。

経口投与された薬物は、消化管から吸収され、肝臓を通過して全身循環に入る。生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)は消化管・肝臓での薬物代謝によって制御を受ける。 (2008.1.17 掲載)

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すべての薬物は体内に入ってから「吸収」「分布」「代謝」「排泄」という過程を経ます。これを体内動態といい、これを理解すれば、身体の変化がどうして薬物に影響を及ぼすかがわかりやすくなるので、ぜひ、覚えておきましょう。


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■薬物の体内動態を理解しよう

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  • ①吸収
  • ②分布
  • ③代謝
  • ④排泄

①吸収

薬物が投与方法に応じた経路によって、循環血液の中に入り込むこと。薬物は、細胞膜を通過しやすい脂溶性物質と、結び付いて輸送してくれる担体が必要な水溶性物質を主とするものに分かれる。

②分布

薬物が循環血液中に入っているときの状態。そのとき、タンパク質と結合しているもの(タンパク結合型)、結合していないもの(タンパク非結合型/遊離型)が一定の割合で存在する。

③代謝

薬効を発現し終わった薬物を、体外に排出しやすい水溶性に変化させること。ほとんどの薬物は薬物代謝酵素CYP(チトクロームP450)で代謝され、このCYPが存在するのが肝臓となる。

④排泄

体外に排出されること。腎臓から尿中へと、胆汁から腸管を経て便中へ、という2つの経路がある。

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薬剤師国家試験 平成31年度 第104回
一般 理論問題 | 問 128 | 難易度 : 高

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薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 128

シトクロムP450による薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 補欠分子としてFADが必要である。
2 薬物代謝に利用される電子は、NADPHからNADPH−オキシダーゼを介して供給される。
3 シトクロムP450に結合した酸素分子は、還元的に活性化され、基質の酸化に利用される。
4 還元反応を触媒することがある。
5 還元型が酸素分子と結合すると450 nmに吸収極大を示す。

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薬物の代謝に関与しているのはどれか?
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最終更新日時 : 2022年09月20日 12:15
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薬剤師国家試験 平成27年度 第100回
一般 理論問題 | 問 167 | 難易度 : 中

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薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 167

薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。
2 高齢者では、CYPによる酸化的代謝とグルクロン酸抱合代謝が同程度に低下する。
3 喫煙はCYP1A2の誘導を引き起こし、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
4 CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。

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